外壁のコーキング(シーリング)補修には、大きく分けて「打ち替え」と「増し打ち」の2パターンがあります。外壁塗装やリフォームを考える際、この2つの方法の違いに気づく方も多いでしょう。
「打ち替え」とは、古いコーキング材を完全に取り除いて、新しいコーキング材を目地に打ち直す方法です。この方法は、コーキング材が劣化している場合や、外壁材とサイディングの間にしっかりとした防水性を確保する必要がある場合に用いられます。劣化が進んだコーキングはそのままにしておくと、建物の内部に水が侵入し、床や構造部分にダメージを与える可能性があるため、適切なタイミングでの打ち替えが重要です。
一方、「増し打ち」とは、劣化が進んでいないコーキング材の上に、さらに新しいコーキング材を施工する方法です。打ち替えほどの作業量はありませんが、劣化が浅い場合や、防水性の向上が必要な場合に有効です。
打ち替えは、完全に劣化したコーキング材を新しく替えるため、劣化が進んだ外壁や目地に適した方法です。これに対して、劣化がまだ少ない場合や簡易な補修を行う際には、増し打ちが有効となります。どちらの方法を選ぶべきかは、カタログや業者の診断を基に判断するのが良いでしょう。
例えば、サイディングボードの目地や、床と壁の隙間に使われている材によって、適切なコーキング材や施工方法も変わってきます。劣化の程度や場所に応じて、方法を選ぶことで、補修の費用や仕上がりのクオリティに影響を与えます。
外壁のコーキング補修は、一見地味な作業ですが、家の耐久性や防水性を保つために極めて重要な工程です。正しい補修方法を知り、適切なタイミングで補修を行うことで、家を長持ちさせることができます。目地やサイディングの状態を定期的にチェックし、適切な施工方法を選びましょう。
外壁コーキングの打ち替えと増し打ちの違い
サイディングボードなどの境目にある目地コーキング(シーリング)の補修方法は、「打ち替え」と「増し打ち」の2種類があります。それぞれの方法には性質や特徴があり、施工する現場やコーキング材の状態に応じて使い分けるのが理想的です。
- ■打ち替え
-
古いコーキングを撤去し、新しいものを打ち込む。費用相場:900~1,200円/m
- ■増し打ち
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古いコーキングはそのままで、上に新しいものを追加する。費用相場:500~900円/m
打ち替えの方法とメリット
打ち替えは、古くなった目地をカッターなどで切り取り、新しいコーキング材を充填する方法です。傷んだ目地をしっかりと撤去できるため、コンクリートやモルタルの外壁など、劣化が進んでいる場合に特に効果を発揮します。下地をしっかり整え、コーキング材を充填する前にプライマーを塗ることで、より強固な密着性が確保できます。
この方法には時間がかかりますが、劣化した部分を完全に取り除けるため、長期的に見て割れや剥がれが発生しにくいのが特徴です。また、カラーバリエーションも豊富で、外壁に合わせたカラー選定が可能です。
増し打ちの方法とメリット
増し打ちは、古い目地の上にそのままコーキングを塗り重ねる方法です。既存の目地がそれほど劣化していない場合や、短期間で施工を完了させたい理由がある場合に適しています。作業の手間が少ないため、スタッフの施工時間も短く、専門店でも費用を抑えることが可能です。
しかし、古い目地の状態が悪い場合は、上塗りした部分が剥がれてしまうリスクがあるため、清掃や状態確認が重要です。外壁材が軽量なALCやサイディングの場合、状況に応じて適切に増し打ちを行うことが推奨されます。
施工場所による使い分け
この2つの方法には、それぞれに優れた部分と短所があります。現場やモルタル、サイディングの状態、コーキングの劣化度合いに応じて適切な施工方法を選びましょう。施工後にブログなどで関連情報を確認し、劣化の兆候が現れたら早めに対応するのが重要です。
このように、コーキング補修の方法を正しく選択することで、外壁の長寿命化を図ることができます。以上の点を考慮して、適切な施工を行うことで家の耐久性を向上させましょう。
コーキング補修の正しい使い分け
「打ち替え」と「増し打ち」の使い分け
外壁のコーキング補修には、「打ち替え」と「増し打ち」の2つの方法がありますが、どちらが絶対に良い・悪いというものではありません。コーキングの場所や材料の状態により適切な方法を選ぶ必要があります。基本的には「打ち替え」が推奨されますが、いくつかの注意点を押さえながら、廻りや継ぎ目に応じて使い分けが重要です。「打ち替え」と「増し打ち」は、どちらの工法が絶対に良い・悪いというものではなく、コーキングの場所や状態によって使い分けを行います。
- 基本は「打ち替え」
- いくつかの例外パターンでは「増し打ち」
具体的にどんな場合か、どうしてなのかをそれぞれ見ていきましょう。
基本的には全て「打ち替え」!
外壁塗装工事などでコーキング補修を行う場合、基本的には「打ち替え」が最も適した方法です。古いコーキング材を撤去し、新しいコーキング材を目地や板の接着部分に充填するため、密着性や耐久性が向上します。特に、劣化が進んだコーキング部分に対しては、「打ち替え」を行うことで、水漏れなどのリスクを先に防止できます。
「シリコン系」などのコーキング材を使う場合も、打ち替えを行うことで、表面だけでなく内部からしっかりと補修することができます。古いコーキング材は処理しなければ、新しいコーキングがうまく馴染まず、時間が経つと剥がれやひび割れが発生する恐れがあります。特にマンションや大型の建築物では、この方法が推奨されることが多く、お客様にとっても安心の選択肢となります。
サッシ周りは『増し打ち』
一方で、サッシ周りのコーキング補修には「増し打ち」が適しています。サッシ周りの古いコーキングを撤去しようとすると、奥にある防水紙を傷つけてしまい、雨漏りの原因を作る可能性があります。シリコンや接着系の材料を直接塗り重ねる「増し打ち」は、このリスクを回避し、適切な防水対策を施す方法として有効です。
また、構造的にコーキング材の撤去が難しい入隅や部分にも「増し打ち」が使用されることが多いです。特に、ALC外壁やサイディングなどのパネル建材を使用している場合、タイミングを見て増し打ちを行うことが対策として推奨されます。入隅は建材同士の接触点であり、過度に打ち替えを行うと、かえって構造にダメージを与える恐れがあります。
入隅…壁同士が突き当たってへこんで見える部分のこと。
このような特定の箇所では増し打ちの方が良い、と覚えておきましょう。
既存のコーキングが全て撤去出来ない場所は、「Vカット工法」というやり方を用いることもあります。古いコーキングの表面で削れるところだけを削ってから増し打ちする方法です。完全に撤去はできなくても、こうすることで新しいコーキングの厚みを確保することができます。
ALCの目地も場合により『増し打ち』
ALCパネルの外壁の場合、サッシ周りだけでなく、目地部分のコーキング補修でも「増し打ち」が行われることがあります。ALCはサイディングよりも厚みがあり、目安として増し打ちでも十分なコーキング材を充填できます。メーカーのカタログにも記載されているように、1回目の補修時には「増し打ち」を行い、2回目以降に「打ち替え」を行うことが一般的です。
特に新築時には、ペイントを施した表面をそのままにしてあることが多く、これを剥がす作業には多くの手間がかかるため、初回のメンテナンスでは「増し打ち」が推奨されることがあります。コーキングの塗布のタイミングや施工方法を確認し、専門家に相談することが重要です。
出典:旭化成建材
状態がいいうちは増し打ち、劣化が進んでから打ち替え、というやり方をメーカーも想定しています。
このように、「打ち替え」と「増し打ち」の選択にはそれぞれの特性があり、塗装の状態や素材に合わせた補修が求められます。どちらの方法が適しているかは、現場の状態や材料の劣化具合、受付の際にプロにしっかり相談し、適切な施工方法を選びましょう。
見積書は明確に書き分けてもらおう
**コーキングの「打ち替え」と「増し打ち」**は、外壁塗装工事の中で行われることがほとんどですが、それぞれの方法は作業内容やコストが異なります。そのため、見積もりを取る際には、必ず「打ち替え」と「増し打ち」を別々に記載してもらうことが重要です。
■正しい見積例
■悪い見積例
悪い例の方では、打ち替えと増し打ちがそれぞれどのくらいの量があるのかも、単価も分かりません。
増し打ちも多いのに全打ち替えと同じくらいの金額を取られてしまっているかもしれませんし、
本来なら打ち替えないといけない場所も手軽な増し打ちで済まされてしまう可能性があります。
見積もり書に明記されていないと、言った・言わないのトラブルになってしまいます。
適正な工事を適正な金額でしてもらうためにも、コーキングの見積もりは打ち替えと増し打ちをしっかり書き分けてもらうようにしましょう。
問合せ時にどちらの方法がどのくらい使用されるか、メートル単位で約いくらかかるのかを明記してもらうと、業者が適正な補修方法を考えているか、また金額が妥当かどうかを確認することができます。最近では、検索で評判を調べたり、他社と比較することが容易になりましたが、コーキングの内部にひび割れや気泡があると、適切な施工が行われていない可能性があるため、十分に注意が必要です。
見積もりが不明瞭な場合のリスク
打ち替えと増し打ちがしっかり区別されていない見積もりは、後々トラブルの原因になることがあります。例えば、増し打ちの部分が多いにもかかわらず、全打ち替えと同じくらいの費用を請求されてしまうケースや、逆に本来打ち替えが必要な場所を手軽な増し打ちで済ませられてしまうことがあります。
こうしたケースでは、打ち替えを行うべき場所で汚れや劣化が進んで、補修効果が十分に発揮されず、早期に問題が発生する恐れがあります。特にヘラなどの道具を使ったコーキング作業では、表面の処理が適切に行われなければ、防水機能が低下し、劣化が進みやすくなります。
見積もりのポイントと注意点
適正な工事を適正な金額でしてもらうためには、コーキング補修の見積もりがしっかりと「打ち替え」と「増し打ち」に分けられていることを確認しましょう。10年ほど持つ施工を希望する場合は、打ち替えが推奨されることが多いですが、適材適所での判断が大切です。
見積もり書に明記されていないと、後々「言った・言わない」のトラブルが発生してしまうこともあります。そのため、工事が行われる前に、問合せや現地確認を行い、適切な方法で補修が行われるよう確認することが重要です。
しっかりとした見積書を確認し、汚れや劣化が目立ちにくく、耐久性の高い補修を選ぶことで、家を長持ちさせることができます。
コーキング補修後のメンテナンス方法とは?
コーキング補修を行った後も、長期間にわたって外壁やサイディングの状態を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。コーキング材の劣化は外見から判断しにくいこともありますが、以下のポイントに注意することで、補修後も防水性能や耐久性を保つことができます。
1. 定期的な目視チェックを習慣に
補修が完了したからといって、全て安心とは限りません。特に雨が多い季節や寒暖差が激しい時期は、コーキング材にひび割れや剥がれが発生しやすくなります。ALC外壁やコンクリート外壁の場合も同様に、目地部分を定期的に目視でチェックし、問題がないか確認しましょう。異常が見つかった場合は、すぐに業者に連絡することが大切です。
2. 汚れやカビの発生を防ぐ
コーキング材の表面に汚れやカビが発生すると、見た目だけでなく、コーキング材自体の耐久性や防水機能にも影響を与えます。定期的に水洗いを行い、外壁や目地の清潔を保つことが大切です。ALCパネルは比較的汚れが付きにくい素材ですが、年に1~2回の洗浄を行うと効果的です。
3. 専門家による定期点検を受ける
補修後も、プロによる定期的な点検を受けることが長寿命の秘訣です。目地のコーキング材は、10年程度の耐久性があると言われていますが、施工環境や気候条件によって劣化の速度が異なるため、早めに専門家に相談することが重要です。特にサッシ周りやALC目地の増し打ち部分は、定期的にチェックすることをおすすめします。
椎名塗装店ならではのアフターサポート
椎名塗装店では、施工後もお客様に安心していただけるよう、アフターサポートを充実させています。補修後の定期点検や、万が一のトラブル時の迅速な対応を行っています。また、施工内容に関しても、お客様のニーズに合わせた塗料や材料を使用し、長期的な耐久性を考慮した提案を行います。外壁の防水や補修に関する質問があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
このように、コーキング補修後のメンテナンスとプロのサポートが合わさることで、家全体の寿命を大きく延ばすことが可能です。浜松市浜名区での外壁塗装や補修に関しては、椎名塗装店に今すぐご相談ください。
よくあるご質問
Q1: コーキングの「打ち替え」と「増し打ち」はどう使い分けるべきですか?
A1: コーキングの「打ち替え」は、古いコーキング材を撤去して新しいコーキング材を充填する方法で、特に劣化が進んでいる部分に適しています。これに対して「増し打ち」は、古いコーキング材の上に新しいコーキング材を重ねる方法で、サッシ周りや入隅など、内部の構造に影響を与えたくない場所に適しています。ALC外壁の場合も、一部の目地では増し打ちが推奨されます。
Q2: コーキングの見積もりを依頼する際、どのような点に注意すべきですか?
A2: コーキングの見積もりを依頼する際は、必ず「打ち替え」と「増し打ち」の作業内容を分けて記載してもらいましょう。特に、どの部分にどちらの工法を適用するか、単価や数量が明記されていることが重要です。適正な工事内容と価格を確認し、施工後のトラブルを防ぐためにも、細かい部分までしっかりと確認しましょう。
Q3: 浜松市北区で外壁のコーキング補修を検討しているのですが、椎名塗装店に依頼するメリットは何ですか?
A3: 椎名塗装店では、コーキング補修や外壁塗装の専門的な知識と豊富な経験を持つスタッフが対応します。ALC外壁やサイディング、コンクリートなど、さまざまな外壁材に適した補修方法を提案し、防水性能を確保するための最適な施工を提供します。また、見積もりの際も「打ち替え」と「増し打ち」を明確に書き分け、適正価格での施工を心がけております。
まとめ
外壁コーキング補修のやり方は主に2種類あります。
内容 | 費用 | |
---|---|---|
打ち替え | 古いコーキングを撤去し、新しいものを打ち込む。 | 900~1,200円/m |
増し打ち | 古いコーキングはそのままで、上に新しいものを追加する。 | 500~900円/m |
基本的には全て「打ち替え」をおすすめします
外壁のコーキング補修には「打ち替え」が最も効果的です。古いコーキング材を取り除き、新しいシーリング材を充填することで、外壁の目地の隙間をしっかりと埋めて防水性能を向上させるためです。また、耐久性も高まり、建物全体のメンテナンスとしても理想的です。
しかし、例外としてサッシ周りや入隅、そしてALCの目地などは「増し打ち」が適している場合があります。これらの部分では、古いコーキング材を完全に撤去することが難しい場合や、無理に替えると内部の構造に影響を与える可能性があるため、適切に「増し打ち」を行うことで防水性能を維持できます。サイディングボードや屋根にも同様のケースが見られます。
見積書は「打ち替え」と「増し打ち」を明確に書き分ける
施工において、外壁塗装やコーキング工事を行う際には、見積もりを依頼する際に「打ち替え」と「増し打ち」のそれぞれの単価や数量が分かるよう、必ず明確に記載してもらうことが大切です。どの部分にどの工法が適用されるのか、そしてその流れを把握することで、業者が正しい施工を行っているかどうかを確認することができます。
また、施工の前には劣化の程度を見極め、適切な工事が行われるようにすることが重要です。コンクリートやALC、サイディングなど、使用される塗料や材料の違いによっても適切な補修方法は変わってきます。
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